「厚生委員会」傍聴記
香川 ヒサ

  遅ればせながら6月20日に厚生委員会の一部を傍聴いたしましたので報告いたします。区から委員会への関連報告等詳細は区のHPでご覧ください。
私は私の関連している「文京区心身障害者等福祉手当条例の一部を改正する条例」(以下「条例」)の部分のみの傍聴でしたので、その部分だけの報告になります。

市民及び共産二会派から「条例」を付託議案として提出されました。 この条例はこれまで心身障害者(知的又は身体的障害者)のみが対象の福祉手当を精神障害者も対称とし、障害者を一元化し、精神障害者の自立や福祉 を増進するのが目的です。ですから「条例」の文言も「心身障害者等」とあるのを「障害者等」に変更するというものです。

これまで知的又は身体的障害者のみ対象だった福祉手当(月額13,500円又は15,500円)を精神障害者にも支給というものです。 同じ”障害”という呼び名でありながら、知的又は身体障害は福祉で、精神障害は保健で担当と分かれています。 そういうわけで文京区主催の「福祉まつり」にも精神障害は加えてもらえません。参加できないのです。なぜですか。

「条例」改定議案提出の二会派からこの議案の趣旨を説明され、討議されました。しかしこの「条例」は4対2で否決されました。

*みんなの党K氏
 何か発言しなければならないと思ったのか、傍聴人も理解不能な意見らしきものをくだくだと述べ、結局議長に賛成なのか反対なのかを問われ 「反対です。」と着席。

*市民・共産は「条例」提出会派でもあり賛成

*公明W氏
 国の政策として行うべき、ということで反対。(だがその国が、障害者を仕分けしているのですよ。)

*区民(民主)W氏
 精神障害は医師の判断であいまいなところがあり、障害の程度も確立していない。だから反対。

*自民M氏
 精神障害者にも福祉手当を支給するとなると、予算を8,200万円ほど増額しなければならないから反対。

*私の感想
 文京区は常に「国がやってない。都もやらない。だから文京区もやらない」であって、「国も都もやらないのなら文京区で独自でやってみよう。」 などという決断は出来ぬらしい。(例えばこの2・3年の顕著な例でも、子供の医療無料化しかり(公明が遅ればせながらの途中賛同で成立。 お陰で施行が半年も遅れた。)。災害時の貴宅困難者への援助も提案がなされたのに、どこもやってないとのことで最初は拒否。そしてやっと 都・他区に追従。)
公明党などは弱者に沿うのが看板ではなかったか。また、医師の判断があいまいというが、他の障害も全て最初は医師の判断がかかわっている。
私が精神障害者施設に関わって知った事だが、軽い知的障害があり、義務教育等終了後、なかなか上手く社会に入れず精神の不調を訴える人が実に多い。 この場合知的障害ではなく、精神障害に分類されるが、精神障害を直しても社会の理解がなく、再発してしまう。W氏はこのような仕分け不能な重複障害 をどの様に扱えというのかお聞きしたい。そして福祉手当は生活保護費受給者等を除き障害者全員に支給されるのではないはずです。 もう一度計算しなおしてみて下さい。
とにかく事前に資料等配布されているはずですから、担当委員会の委員は、ご自分の知識を増やして下さい。 そのうえできめ細かい議論を尽くして下さい。その結果なら傍聴人も納得というものです。

当日、精神障害者の施設長も傍聴していましたが、担当区議の知識のなさに悲しくなったという感想を漏らしておりました。