『アルバート・ヘリング』のあらすじ

時:1900年の4-5月

所:イギリス、東サフォークの小さな村ロックスフォード

<第1幕>

  第1場(ビロウズ夫人の家):
 家政婦フローレンスは忙しくはたらいている。ビロウズ夫人はかねてより恒例の五月祭の組織・運営
に関わっており、今年も皆のあこがれであるメイクィーン(5月の女王)選出のため、村の有力者を招集
した。しかし、フローレンスは、候補に挙がった独身女性は、いずれもメイ・クィーンの冠をかぶる資格
がないことを知っており、これを指摘する。ビロウズ夫人は、失望してしまうが、警察署長のバッド氏
の提案により今年は、メイ・クィーンならぬメイ・キングを選出しようと言うことになった。そして品
行方正で真面目な八百屋の息子アルバート・ヘリングが、選出された。

第2場(八百屋の店先):
 アルバートが、その小心さを悪友シッドにからかわれているところへシドの恋人ナンシーが買い物に
来店する。2人の仲の良い振舞をみて、アルバートは、落ち込んでしまう。そこへ、五月祭の実行委員
一同が到着し、アルバートがメイ・キングに選出されたことを告げる。ヘリング夫人は、感激するが、
アルバートはそれほどでもなく、母子は口論する。

<第2幕>

第1場(祭りの広場):
 シッドとナンシーは祭りのテントの準備をし手いるが、隙を見てアルバートの飲むレモネードにラム
酒を注ぐ。アルバートは、メイキングとしてのスピーチでは、口が回らなかったが、酒入りレモネード
をしこたま飲み、キングとして花の王冠とともに25ポンドをもらった。

  第2場(八百屋の店先):
 その夜、酩酊したアルバートは独り帰宅の途中、デート中のシッドとナンシーが自分の噂ばなしをし
ているのを聞いてしまい、落込むが、ここで感情が限界を超え、賞金を懐に夜の町へ遊びに出かける。

<第3幕>

(翌日の午後)
翌朝、アルバートが帰宅しなかったので、村中が大騒ぎになる。バッド署長が中心となって捜査を続け
る。罪の意識にさいなまれたナンシーもヘリング夫人宅に向かう。1人の少年が、井戸の中にひどく崩
れた白い冠を発見し、皆はアルバートの死を想像して悲しんでいる最中に、アルバートが突然戻ってく
る。そして彼は、五月祭の委員たちに夜遊びのための現金をくれたことに感謝する。ヘリング夫人や委
員会メンバーは激怒するが、シド、ナンシや子供達は、アルバートの自立を祝福する。アルバートは、
町の子供達を店に呼び寄せ、感謝をこめてフルーツを配る。(free encyclopedia"Wikipedia"等より)