オペラ「Genoveva」のあらすじ

第1幕:
 舞台は8世紀のフランク王国。ジークフリートが妻のゲノフェーファを家来のゴーロに託し、出征しようとしている場面から始まる。夫が旅立とうとする時、 ゲノフェーファは別れの悲しみのために倒れてしまう。彼女が気を失っている間に、ゴーロは人目を盗んで彼女に口づけする。この様子を彼の乳母マルガレー タが、物陰で目にしていた。マルガレータはゴーロに近づき、ゲノフェーファをものにできるよう、手助けすると約束する。

第2幕:
 マルガレータとともに、兵士たちが城の外で騒いでいる。城の中にいたゲノフェーファはゴーロに歌を所望する。ゴーロは「私が小鳥だったら」を歌い、 ゲノフェーファもそれに合わせて歌う。ゴーロはその歌の途中で気持ちを抑えられなくなり、彼女に愛を告白する。ゲノフェーファは彼を拒絶する。ゴーロ は家来の一人であるドラーゴに、ゲノフェーファが夜に男と密会していると偽の情報を流し、彼女の部屋に隠れて様子を窺うように命令する。その夜、 ゲノフェーファが寝室で神に祈りをささげているところに、家来たちがなだれ込んでくる。ゴーロが部屋の中にいるドラーゴを見つける。彼はゲノフェーファ の情人としてその場で殺され、ゲノフェーファは不義の罪で捕えられる。

第3幕:
 マルガレータが戦争で傷を負ったジークフリートの手当てをしている。ゴーロがそこに到着し、ゲノフェーファが不義の罪で捕えられたことを告げる手紙を 渡す。ジークフリートは彼に、ゲノフェーファの処刑を命じる。その夜。マルガレータは物思いに沈んでいる。かつて殺してしまった自分の子どもの夢を見た からである。そこにジークフリートが現れ、魔法の鏡を使ってゲノフェーファの過去を映し出すように頼む。マルガレータは3つのシーンを順々に映し出すが、 そこにはドラーゴと親しくしているゲノフェーファが映るばかり。怒ったジークフリートが鏡をたたき割った時、中からドラーゴの幽霊が登場。真実を告白し ないならば、マルガレータは火あぶりで死ぬ運命にあると告げる。彼女は幻影のうちにその光景を目にする。

第4幕:
 2人の家来たちがゲノフェーファを岩山へと連れて行こうとしている。ゲノフェーファは洞窟で聖母マリア像を見つけ、その前で祈る。部屋がバラ色に満たされ、 彼女が救われるという天の声が聞こえる。ゴーロが登場し、ゲノフェーファに自分と一緒に逃げるように提案する。彼女がそれを断ると、ゴーロは処刑を家来たち に命じ、遠くへ旅立つ。家来たちが彼女を処刑しようとした時、マルガレータがジークフリートを連れて来る。ゲノフェーファはジークフリートと再会し、死を免 れる。人々が貞節を守ったゲノフェーファをたたえ、幕が降りる。