2014.09.11..藤原美佐子 

春日・後楽園駅前地区第一種市街地再開発」進捗状況>


●これまでの経緯と今後の予定
2001年 文京シビックセンター周辺地区・まちづくり基本計画策定、まちづくり協議会設立
2002年 準備組合設立
2009年 都市計画決定
2012年 事業認可・組合設立
2014年 権利変換計画策定中、実施設計策定中、南街区の教育機関誘致先物色中
   3月 アセスメント法に義務付けられる工事工程届、変更届を東京都環境局に提出、着工を2010
       年から2014年12月に変更、供用開始を2013年度末から2018年度末に変更。
   6月 建設委員会では着工予定2015年3月、工事完了予定2018年度末と報告。

●資金計画、補助金執行状況
 ・2012年事業認可当初の資金計画は、保留床処分で676億、国・都・区補助金計65億、国から直 の補助金13億で総事業費約754億円。現在まで実施計画ができていないため、2012年度は減額処理。 補助金はこれまで2013年度に1億6600万円(権利変換計画策定費用)が執行されたのみ。
 ・2014年度から3ヵ年で57億円投入の予定。そのうち今年度予算に20億円が計上され、権利変 換後の引越しや立退き料に充てられる予定。
 ・資材等の高騰で収支が厳しくなった再開発事業の支援目的で国が新たに打ち出した「都市・地域 再生緊急促進事業」で追加補助32億円の獲得を目指して申請中。これは2014年度末までの着工が条 件。(2013年12月閣議決定。好循環実現のための経済対策5.5兆円のうち競争力強化策1.4兆円から の補助。都市機能の集約と地域の成長力の底上げ等を図る社会資本整備総合交付金)

●現状と問題点
 ・事業計画の変更点は自転車置き場、駐車場台数・入口位置(閻魔通り入ロはなし)、地下2階の削 除などがあるが、正式に公表されず、実施設計中に対策するはずの吹きおろし風対応策も不明。保育 施設は南街区に決定。公益の目玉である教育機関誘致は日本アスペクトコア(株)に委託したが、未 だに決まらず。
 ・環境アセス評価書案への知事意見で「関係住民等が一層理解しやすいものとするよう努めるべき」 と付しており、警視庁との交通協議でも「地元の合意形成が課題、近隣対応は十分に行うこと」とさ れているにも拘らず、いまだに説明会の予定さえ明らかにされない。東京都や警視庁などではきちん と情報公開している情報も文京区からは一切出てこない。
 ・着工前に解体工事があり、その前にもやるべきことは多い。事前協議、近隣説明会、確認申請、 標識設置等々。公益よりも被る迷惑が大きい事業は、できるだけ早く情報を引き出し、チェックし、 是正させたいのは当然。実施設計がまとまってから説明会では遅い。そもそも今実施設計が終わらな いのでは滑り込み着工になるか、着工延期、追加補助金欠格になるか、いずれ危うい事業である。
 ・権利変換は100%同意を目指しているが、強硬な反対もあり、強制立ち退きの可能性もある。
 ・区民の疑問を解消しないまま説明会を強硬に打ち切った都市計画説明会の二の舞となれば、説明 責任を果たすよう釘をさして可決した当時の都市計画審議会の責任も問われ、都市計画審議会の設置 責任者として、また都市計画決定者として、区長にも責任があると考える。補助金総額100億を超え ようとする巨大事業でもあり、情報公開が義務付けられる財政援助団体の指定団体に指定するよう求 めたが、区は頑なに拒否している。