文京区景観審議会傍聴記

 

荒木 成光

 区報でこの審議会の公開を知り、当日電話申込みをしたところ、簡単に許可された。文京区では、高層マンション建設に関連した 景観論争が多発しており、訴訟に持ち込まれているケースも多い。従って区民の意識も高く、25名の定員はすぐ満席になるのかなと 思っていたので、簡単に傍聴が許可されたのがむしろ意外であったが、会場に入ってさらに驚いたのは、傍聴者がわずか数名しか いなかったことである。

1.委員紹介
今回の審議会は、今年度第1回の会議であったため、まず、20名の委員紹介が行われた後、委員長には、5名の学識経験者の中から新任の 岸田省吾東大教授が選ばれた。区民代表には5名の公募委員が参加し、区議会議員からは景観問題に詳しい藤原美佐子区議他5名(名取顕一、 萬立幹夫、松下純子、田中香澄、上田ゆきこの各区議)このほか区職員からは都市計画部長他3名の部長が参加している。なお、副委員長に は、委員長が清水きよみず泰博 東京芸大教授を指名したが、この際名前を“きよみず”でなく“しみず”と間違え て呼んでしまい、はからずも事務局のシナリオ通りの指名であることが露呈した。このこと自体は、特に問題ではないが、今後の審議、 議事運営が区民不在で区側に好都合なシナリオに従って進行し、審議会が形骸化してしまうようなことだけはないことを願いたい。

2.景観行政団体への移行につて

景観法に基づく実効ある条例設定等のためには、まず、 景観行政団体への移行が必要であることから、今回、文京区が遅ればせながら移行準備に入ったのは大変結構なことである。 しかし、東京都23区でも既に10区(世田谷区、新宿区、 江東区、 足立区、 杉並区、墨田区、 港区、目黒区、 品川区、江戸川区)が移行済み であり、 歴史と文化を誇る一方、乱開発を黙認し、多くの訴訟問題を抱えている文京区としては、遅きに失した感が拭えない。

なお、景観行政団体と景観法の関連、移行の意義などについては、資料第1号で、また、移行に当たって 都との協議に必要な景観計画骨子の作成については、資料第2号に従って区職員から説明が行われた。

議事の詳細は、文京区のホームページ参照